桃田は田児と共に墨田区の店に14年10月から昨年1月にかけて行ったが、14年12月の全日本総合選手権の決勝で負けたことで「世界のトップと戦いたいと思って」行かなくなった。その後の、15年の世界選手権3位、同年末のスーパーシリーズファイナル日本男子初優勝という彼の快進撃はご存じのとおり。

 しかし、そんな時期に重なっていた巨人の野球賭博騒動を見て「ひとごとではないなというのが素直な感想で、解雇報道を見たときは怖くて誰にも言えませんでした」(桃田選手)という。

 田児は「自分は二度とバドミントンをできなくなってもいいという覚悟があります。桃田にはもう一度チャンスを与えてやってほしいという気持ちしかありません」と言うが、五輪担当記者はこう言う。

「NTT東日本は男子バドミントンの名門ですが、桃田は田児に憧れて入った訳で、それ以前にも確か桃田は田児の家にしばらく居候してたことがありました。2人には普通の先輩後輩以上の関係があり、桃田からすれば、断れない、という感覚があったはず。そんな先輩が闇カジノに誘ったという人生の巡り合わせ……気の毒ではありますよね」

 スポーツ選手は賭け事が好きだ。“勝負師”という言葉があるが、ギャンブルに惹かれる気持ちが強いのは彼らの“性(さが)”だろう。正直な話、「何か賭けなきゃ、やる気にならない」と言う選手を何人も知っている。

「バドミントンではない他競技の世界選手権を取材したとき、日本代表の宿舎になったホテルに、合法カジノがあって、ほとんどの選手がやってました。ソウル五輪では、ある競技の監督やコーチたちがそろってカジノで遊んでいて、そもそも指導する側がそんな感じですからね(笑)。海外遠征し、その国では合法なカジノに出入りして感覚がマヒして帰国してからも、というパターンは大いにあり得ます。それをどう防ぐかが課題でしょう」

 アマスポーツを長く取材する別のスポーツ記者は、こう語った。

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