銀座でバスに乗り込む中国人観光客(イメージ)
銀座でバスに乗り込む中国人観光客(イメージ)
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 春闘の集中回答日となった16日。賃金カーブを底上げするベースアップについて日産は「満額回答」を示したが、トヨタは要求額の半分、武田薬品工業はゼロ回答などまちまちだ。景気低迷を反映して全体的にはベアは縮小傾向で、安倍政権が囃した「官製春闘」の終焉を予感させる結果とも言える。こんなご時世に一体どんな会社なら給料が上がりそうなのか、隣の晩ごはんじゃないが、興味があるところだ。上場企業について専門家10人に尋ねてみると、特徴も見えてきた。

 給料を上げてよと言ってみても、まずは長く安定した業績が大前提となる。そこで追い風となるのは長持ちする「特需」だ。例えば建設・不動産業。2020年の東京五輪、東京と名古屋を結ぶリニア中央新幹線、東京・渋谷などで進む大規模再開発など、この業界、ともかく当面の業績を支える大事業が目白押しなのだ。

 カブドットコム証券投資ストラテジストの河合達憲氏は「新年度は難しい年になるが、業界全体で潤うのは建設。昨年の上期決算発表でスーパーゼネコン各社はどこも期初の業績予想を上方修正し、強気の言葉が続きました。資材費の高止まりが峠を越え、この下期から業績が上がる。今後、大手から給料が上がるのでは」。

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