(c)カトリーヌあやこ
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 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「ちかえもん」(NHK 木曜20:00~/3月3日で終了)は続編を期待するほどの名作だったという。

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「嘆き疲れた宴の帰り~、これで浄瑠璃も終わりかなとつぶやいて~」と、「大阪で生まれた女」の替え歌を口ずさむ、辛気臭い顔した「ちかえもん」こと近松門左衛門(松尾スズキ)。この場面見た瞬間に、もう名作の予感がしたよね。アカデミー卑屈顔賞があったら、今すぐ松尾スズキに差し上げたいくらい。本人も脚本家だけに、近松がスランプに悩む姿も生々しい。不孝糖(飴)売りの万吉(青木崇高)と出会い、あれよあれよと事件に巻き込まれながら、数々の懐メロ替え歌を口ずさみつつ、やがて名作「曽根崎心中」を書き上げるちかえもん。

 テレビもねぇ、映画もねぇ、ネットもスマホもなんにもねぇ!な、江戸時代・元禄期。実際に起きた、お初と徳兵衛の心中事件を描いた人形浄瑠璃は、ワイドショーの再現ドラマであり、月9のラブストーリーであったかもしれない。人形が演じる悲しい恋物語を見た庶民は、どれだけ胸を高鳴らせ、どんなに涙を流したか。「あまちゃん」の松尾スズキ(純喫茶「アイドル」のマスター)だったら、絶対「今、お初がアツいよね!」って言うよね。

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