年末年始の暴飲暴食で、何となくひと回り大きくなった気がするおなか回り。いつもはいているスカートやズボンも、心なしかキツイ。そんな「正月太りを何とかして!」と嘆く人に、おススメなのがストレッチだ。とっておきのプログラムを専門家に聞いた。
この時期、屋外で運動をする場合、寒さで筋肉が縮こまり、緊張して伸びないため、ケガをしやすい。寒さで血管が収縮するため心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞などの病気を発症するリスクもある。暖かい室内でできるのも、ストレッチの魅力の一つだ。
スポーツトレーナーの坂詰真二(49)さんは、『毎日続けられる やさしいストレッチ』(西東社)など多数の著書があり、オーソドックスなストレッチを指導している。ストレッチにもさまざまなやり方があるが、「正月太り解消」として勧めるのが、正しい姿勢をつくる「胸とおなかを伸ばすストレッチ(【1】)」と、筋トレ要素を取り入れた「下半身の筋肉を鍛えるストレッチ(【2】)」の二つだ。
なぜこの二つが正月太りの救世主になるのか。坂詰さんはこう解説する。
「まず【1】ですが、冬の寒い時期は背中を丸めて寒さから身を守る姿勢をとるようになります。また、年末年始の間、コタツにあたってテレビを見て過ごしていれば、姿勢は前のめりになっていきます。猫背の姿勢は老けて見えるだけでなく、胸の胸郭(きょうかく)が狭くなるので、そのぶんおなかが圧迫されて、ポッコリと前に飛び出して見えます。それを解消するのが、姿勢を正す【1】のストレッチです」
ポイントは、腰を反らせるのではなく、胸やおなかを天上に引き上げる、フィギュアスケートのイナバウアーのようなイメージで、15秒を目安に伸ばしていくこと。腰が悪い人は、両手で腰を支えるとよい。回数に制限はなく、朝起きたときやテレビのコマーシャルの間、入浴中、就寝前など、“ながらストレッチ”も含め、こまめにやったほうがよいそうだ。