
京都市の小6男児(12)が、教師に「大麻を吸った」と話したという衝撃的な報道が注目を集めた。関係者の話を総合し、問題の経緯を追ってみた。
10月中旬の深夜、同市内の警察署に小学校の教師が駆け込んできた。
「教師が喫煙したという児童を指導していたところ、『大麻も吸っている』と話したという内容でびっくりした」(捜査関係者)
京都府警は学校側から話を聞き、信憑性があると判断した。学校関係者によれば、発覚の経緯はこうだ。
――喫煙の問題を持つ児童が2人いて、うち一人が大麻を吸ったと言いだした。教師はさすがに冗談だと思ったが、児童は「兄(高校1年生)の部屋に銀色の重そうな缶があって、中を見たら、大麻のようなものがあったので、それを削ってパイプに詰めて吸った」と具体的に説明。さらに、「先生は大麻を知らんでしょう」などと言い、ドヤ顔を見せたという――。
捜査関係者はこう話す。
「児童は一見すると、ふつうの小学生。ちょっとやんちゃかなと思うくらい。ただ、たばこには抵抗感、罪悪感がないようだ」
学校関係者の説明だと、児童は後悔している様子だ。
――児童はスマホなどで調べ、形状や香りから大麻だとわかった。「よくないものだ」と感じたが、抵抗感より好奇心が勝ったらしい。「4回くらいやった」「あまり気持ちよくなかった。こんな騒ぎになるなら、吸わなければよかった」などと話した――。
京都府警は兄の部屋を捜索し、パイプや巻紙、アルミホイル、グラインダーと呼ばれる大麻を削る器具など16点を押収。11月11日、兄を大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕した。
これに先立つ9月、府警は、同法違反容疑で、京都市東山区在住の自称ラッパー、末長直喜容疑者(25)や男子高校生4人を逮捕していた。末長容疑者は若者に大麻を売って稼いでいたといい、児童の兄との関係もあるとみて調べている。
(ジャーナリスト・今西憲之)
※週刊朝日 2015年11月27日号