当落が注目される“大物”といえば、松島みどり前法相(58)も外せない。
当選4回で大臣にスピード就任したものの、有権者にうちわを配布したことが公職選挙法違反にあたると指摘され、わずか2カ月弱で辞任に追い込まれた。
不祥事もさることながら、印象深かったのはその“キャラ”の濃さだ。
「辞任後1週間ほどで本会議にも会派の集まりにも出席していて、強靭な神経の持ち主だなと思いました。閣僚になるまで話題にならなかっただけで、目立ちたがり屋で気の強さもピカいち。言うとおりにならないとすぐ怒るので、秘書はヒーヒー言っていますよ」(自民党本部関係者)
松島氏は過去6回の選挙で2度落選しており、決して選挙に強いとはいえない。ただ、地元(東京14区)では意外な一面も見せているようだ。墨田区議が語る。
「辞任後、『ご迷惑をかけて申し訳ない』と、支援者や区議会に謝罪行脚をしていました。深刻な政治とカネの問題ではないから、『大変だったね』と擁護や労(ねぎら)いの声も多かった。普段はやや自己アピールが過剰な面はありますが、スカイツリー誘致のための規制緩和など実績も確かにあり、地元に貢献していますよ」
当の本人に選挙の意気込みを直撃した。
「必ず勝ちたい。地元の期待を裏切ってしまったことをお詫びしつつ、地元のため、日本のために私が必要ということを理解していただきたい。メモ、とる?」
と記者にやさしく指導。やや上から目線ながら、やる気満々なご様子。一貫して「討議資料であり、公選法違反の有価物ではない」と強調していたうちわについて尋ねると、
「もう、うちわの形にはしません(笑)。誤解を招くことがないように、法律をしっかりしっかり守ります」
さすがに懲りたようだ。
「今のところ名前のあがる対立候補は生活の党の木村剛司氏だが、党の組織力が弱いのがネック。保守層が強い下町ですから、消去法で松島氏が優勢になると思います」(前出の区議)
うちわなしでも、“追い風”を起こせるか。
※週刊朝日 2014年11月28日号より抜粋