A被告を逮捕した奈良県警本部。大阪府警の「S」と知っていたのか (c)朝日新聞社 @@写禁
A被告を逮捕した奈良県警本部。大阪府警の「S」と知っていたのか (c)朝日新聞社 @@写禁
この記事の写真をすべて見る

今年5月、大阪市内に住むA被告が拳銃保持のため、銃刀法違反容疑で逮捕された。そのA氏から届いた大量のノートや手紙には、自身が大阪府警の「スパイ」であり、大阪府警のB刑事が拳銃6丁の売買を目の前で見ていたことも明らかにされていた。

 売買の数日後、拳銃の買い主が大阪市内のA被告の家を訪れ、購入した拳銃のうち5丁を預かってほしいと依頼。このとき、1丁はすでに転売されていた。A被告は断り切れずに5丁を預かったが、ほどなくして買い主によって2丁が転売された。

 A被告はこうした経緯をB刑事に逐一、報告していたという。

<無碍に断ると怪しまれるし情報も取れなくなると思い、銃を預かりBさんに報告したら捜査の延長線上の事なので咎めたりもなく「そうですか」と黙認してくれました>

 異変が起きたのは5月2日午後。A被告は突如、自宅を奈良県警に捜索されたのだ。拳銃3丁と実弾を発見されたA被告は、銃刀法違反容疑で逮捕された。奈良県警の捜査員は逮捕時に、「大阪(府警)と何やっとったんじゃ! 大阪に助けてもらえや!」と大声で叫んだという。

 A被告は奈良地検の聴取に対し、自分が大阪府警の「S」であったことを明かしたという。A被告はノートにこうも綴っている。

次のページ