日ごろ台所に立つベテラン主婦にも「ちょっと不得意」というメニューがあるだろう。その原因は、もしかしたら間違った「思い込み」のせいかもしれない。フレンチレストランのオーナーシェフを経て、料理教室を催す水島弘史さん(46)によると、間違った「常識」が失敗のもとになることがあるという。
水島さんが指摘する「常識」とは、例えばシチュー作りの場合、「肉を強火で周囲を焼き固めてうまみを閉じ込め、それから煮込む」。野菜炒めは「強火で手早く作る」、煮物なら「だしこそが決め手」など。どれも「そうそう、その通り」と思っていたものばかりだ。だが、水島さんは「その思い込みこそが失敗のもと」という。
「実は、肉に閉じ込められるのはうまみじゃなくて、臭みとアク。最初に強火で肉を加熱すると、たんばく質は急激に固まり、肉は縮み、水分はどんどん外へ出ていってしまうんです」
ビーフシチューも同じ原理で、強火で加熱した後で長時間煮ても、軟らかくなるというより味が抜けたスカスカな肉になってしまう。
「最初に強火で焼いたチキンソテーは、途中で弱火にしても中はパサパサ、外はベタべタになりますよ」
えっ、マジで!?
では水島さんから聞いた「大間違いの思い込みベスト8」を発表しよう。