■「一緒に戦いたい」女性たち

 だからといって、彼女たちが自分よりたくましい男にただ守ってもらいたいということではなさそうだ。というのも、その性格にある特徴が見られるのである。

 たとえば、川口の場合、とにかく気が強い。人気が出てきた頃、バラエティ番組のゲーム企画か何かでびっくりするほどムキになるのを見て、ちょっと引いてしまった(笑)ことがあるし、17年にはブログで、一般人の盗み撮りに対するこんな怒りをあらわにしていた。

「撮らないでって言わないとわからないのかな?って思ってしまうけど、みんなはどうかわからないけどわたしはそれは嫌なんだよな。 すごくすごくすごくすごくね」

 現在「麒麟がくる」で演じている濃姫もかなり気が強そうな設定なので、この性格ならハマリ役だろう。代役だからと不安視する声にもきっと、反発して見返そうとしているはずだ。

 そして、気の強さが裁判にまで発展したのが、向井のケース。00年に妊娠と子宮頸がんが同時に発覚し、子宮も胎児も失った。それでも「愛する人の遺伝子を残したい」として、代理出産という方法を模索する。03年には米国人女性が代理母となるかたちで、双子の母となった。

 しかし、自分を母とする出生届が日本の法律では受理されないことから、彼女は夫ともに訴訟を起こした。最高裁までもつれたものの、07年に敗訴。会見ではそれまでの過程を「時間と労力とお金をかけたスケールの大きな社会科見学だった」と皮肉ったうえで、

「決定文を何回も読んだが、正直がっかりし怒りも覚えた。子宮の働きを持たない女性の救済の道はないのかと思った」

 と、不満を語った。結局、養子縁組という選択をすることになる。

 また、小池は夫とともにリングに上がって戦ったことがあるし、倍賞は夫の新日旗揚げに際し、融資や宣伝にひと役買った。その後も夫が海外遠征で暴動に見舞われそうになったときなど「私のことはどうでもいいの!アントンを頼むわ」と、堂々たる態度で周囲を落ち着かせたという。

次のページ
女優はもともと「男っぽい」?