突然の大火に、沖縄県民は悲しみに包まれた。10月31日の未明、那覇市の首里城跡に復元された「首里城」が出火し、正殿や北殿、南殿など中心的な建物が全焼した。県警が出火原因を調べているが、いまだに詳細はわかっていない。
現在の首里城は、約500年前に建てられた後に太平洋戦争で焼失したものを1992年以降に復元していったものだ。2000年には「首里城跡」が県内のほかの城跡とあわせて世界遺産に登録されている。県民にとってはまさに“琉球の象徴”的な存在だ。地元からは悲しみの声があがっている。
そんな県のシンボルの被災に対し、出火原因について、自然発火や放火、焚き火、イベントの道具、タバコの不始末など、さまざまな臆測が飛び交っている。
首里城では恒例の「首里城祭」が27日から開かれていて、火災の前夜から未明にかけて同イベントの準備で人がおり、準備の過程で失火した可能性もあるのではといった声もある。
また、日本防火技術者協会理事の鈴木弘昭氏は「電気火災」の可能性を指摘する。
「城の防災担当が出火に気づいてから燃え広がるのが早すぎます。部屋や廊下など、人がいるような空間で出火したとは考えにくい。壁の中や天井裏ですでに燃え広がっていたのではないでしょうか。電気の使い過ぎによってジュール熱が発生し、電線や電線の接続部分が熱くなって出火した可能性は考えられます」
また首里城の近くで焚き火をしていた人の目撃情報もあるという。その他にも、県警は不審者を見ていないかなど、周辺に聞き込みも進めている。
これらのことから、自然発生的な出火や電気など機械的なものによる出火、人為的な失火や放火を懸念する声まで、さまざまな臆測が飛び交っているのが現状だ。
そんななか、「沖縄の首里城を燃やしたのは僕です。」というタイトルで動画をアップしたYouTuberが現れた。動画では、大きく息を切らしながら、次のように述べている。