前回の原稿を書き上げた翌日、遅い昼食を食べに出かけると、外は気持ちのいい晴天。陽気も暖かくなり、桜もほぼ満開でした。
その桜の下で、写真を撮っている親子連れの姿が。
スーツ姿の父母に挟まれて真ん中にセーラー服の女の子。
中学の入学式から帰ってきて、自宅近くの桜の下で記念撮影をしているのでしょうか。 後ろ姿しか見えなかったのですが、背中からも晴れがましい気持ちが伝わってきて、こちらも背筋がしゃんとなる思いがしました。
今年の春は重い春です。3月11日までは、まさかこんな春になるなんて想像もしていなかった。
それでも、春はいいな。その親子連れを見た時に、素直にそう思いました。
ふと気づくと、『春一番』を口ずさんでいました。
泣いてばかりいたって 幸せは来ないから
重いコート脱いで 出かけませんか
もうすぐ春ですね 恋をしてみませんか
50過ぎの男が歌うにはちょっと面映ゆい歌詞ですが、50過ぎの男だって10代の時はある。まさにそういう時期に流行った歌です。
色々と思い悩む時期に聴いた「泣いてばかりいたって幸せはこないから、重いコート脱いで出かけませんか」というフレーズが、胸に沁みたのを思い出しました。
これからどうなるのか、まだ全然わからない。
あの制服の女の子に、自分の子ども達に、これからどんな社会を渡せるのか、僕ら大人も全然見えない。
それでも、春はやっぱりいいなという気持ちぐらい持ってもいいだろう。
来年も再来年も、春はいいねと言うぞと思ってもいいだろう。
今でもやっぱり「重いコート脱いで出かけませんか」というフレーズは胸に沁みます。
そういえば、劇団☆新感線の『港町純情オセロ』も、4/15に大阪で初日を迎えます。
今回は稽古場にも全く顔を出してないので、どんな芝居かさっぱりわからない。でも、なんとか無事に幕が開けられて何よりです。
橋本じゅんの復帰第一作。本人もきっと気合いが入っていることでしょう。いつも、入っているのですが、今回は尚更ですね。
僕は東京公演までお預けですが、楽しみです。
翌4/16には『クレヨンしんちゃん』の劇場版の新作、『嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦』が封切りになります。
こちらは会社を辞める前に、今の担当に引き継いだ作品です。
こうやって、関わりのある作品が動き出すと、自分も刺激になりますね。
僕の仕事が動き出すのは夏以降になりますが。