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時代は平成から令和へ。お笑い芸人のカンニング竹山さんは「時代が変わっても、幽霊は実在しないという僕の考え方は変わらない」という。その根拠は。
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基本的に、心霊とか幽霊というのはいるわけないと思っているんです。そんなものは生きてる人間の空想です。なぜかというと、誰も見たことないから。見たって言う人はいるけど、「ちらっと顔が見えた」とか「寝てるときに枕元に立っていた」とか言いますよね。それって、いつ、どこで、どんな様子だった?ってちゃんと聞くと、一つ一つ論破できるんですよ。見間違いじゃなかったのか、寝ぼけている可能性は無かったのかとか。「白い物がフワッと通った」とかいうのも、それが幽霊かどうかという確証はないわけです。祟りがどうとか、これは誰々の霊のおかげとかいうのも、証拠を見せろって話なんですよ。
まあ、見たって言う人を責めるよりも、僕は幽霊側に「お前、出てこい!」と言いたいですよね。昔から窓から顔だけ出したり、手だけ肩に乗せたり、そんなことするやつは生きてるときからろくなやつじゃない。出てくるならサッと出てこい、出て来られない事情があるなら出るなと思うわけです。生きていたときはその人だって幽霊が怖いって思っていたはずなのに、幽霊になった瞬間に手だけ出すとか、何やってんだよって叱ってやりたい。
出る場所も疑問ですね。よく出るって言われるのが病院とか学校ですよね。「病院で手術を失敗して、無念で死んだ人の霊が出る」とか、ちょっと待て! いま生きている人間と、人間という生物が誕生してから今までに死んだ人の数を比べたら、圧倒的に死んだ人が多いんです。そして、その9割ぐらいは無念で死ぬんですよ。大往生で「ああ、幸せだった」って死ぬ人はそんなにいないでしょ。事故や病気、けが、殺人……だいたいが無念ですよ。みなさん、病院で手術を失敗した人の幽霊が、自分だと思って考えてみてくださいよ。この世に現れるということが技術的に可能なわけですが、もし自分だったらその病院にいたいですか? 誰に会いたいかっていうと、家族とか恋人とか会いたい人のところに出るでしょ。