さて、では“人格者ふう”になるにはどうしたらいいのか。

 これには瞑想が役に立ちます。メンタルがとても強くなります。

 瞑想には色々と技法がありますが、私はざっくり言うと「呼吸法」だと思っています。深くゆっくり呼吸するスキル。それをコンスタントに日常で再現できることだと思っています。

 雑念は取り除く必要はないと思いますし一般人には不可能です。しかし、感情に起伏があるとき、間違いなく呼吸が乱れています。呼吸が浅くなった時に怒りや焦りが発生しています。

 そういうときに、無理に気を沈めようとすると、かえって怒りや焦りが増すことがあります。そうではなく呼吸に集中するスキルを磨くことで、感情がコントロールできるのです。そうすると余裕も出てポジティブになり認知能力も深まります。感情がコンスタントになるだけで、人格者ふうになれるのです。

「大人の対応」というのは「呼吸法」にあるのだなあと思うことが多々あります。大人(たいじん)はスピード感ある仕事をやっていても、ゆったりしています。

 実はこの方法は、子供にも教えてもらいました。「深く息を吸うとイライラしなくなるんだよ。セルフマネジメントのスキルで先生に教えてもらったんだよ」と。

「嫌われない技術」はとても大事です。やっていることが間違ってなくても「嫌われる代償」は、日本では大きくなるばかりだと思います。

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