金足農・吉田輝星 (c)朝日新聞社
金足農・吉田輝星 (c)朝日新聞社

 今月25日に開かれるプロ野球ドラフト会議。今年も大阪桐蔭・根尾昂や金足農・吉田輝星をはじめ、球界の未来を担う逸材が揃っている。では、いったい各球団はどんな選手を獲得すればいいだろうか。野球ライターの西尾典文氏に過去の傾向も踏まえて、12球団の「おすすめ選手」を分析してもらった。今回はパ・リーグで5位に沈んだ千葉ロッテマリーンズだ。

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 ダントツの最下位だった昨年に比べると成績は上向いたものの、シーズン終盤に失速して最終的には5位に終わったロッテ。改めて過去10年の成績を見てみるとAクラス入りは4度あるものの全て3位であり、大きく低迷はしないものの優勝争いには加われないという立ち位置が定着している。

・過去10年支配下指名選手内訳
高校生投手:7人(主力:0人 戦力:1人)
高校生野手:7人(主力:1人 戦力:3人)
大学生・社会人投手:28人(主力:4人 戦力:7人)
大学生・社会人野手:13人(主力:5人 戦力:6人)

・過去10年上位指名選手内訳
高校生投手:0人(主力:0人 戦力:0人)
高校生野手:2人(主力:0人 戦力:1人)
大学生・社会人投手:12人(主力:3人 戦力:4人)
大学生・社会人野手:5人(主力:2人 戦力:3人)
※2008年2位の長野久義は入団拒否のためカウントせず

・過去10年育成指名選手内訳
高校生投手:5人(主力:1人 戦力:0人)
高校生野手:3人(主力:0人 戦力:0人)
大学生・社会人投手:5人(主力:0人 戦力:0人)
大学生・社会人野手:5人(主力:1人 戦力:0人)

 過去10年の指名を見ると傾向は明らかで、一言で言うと即戦力重視。上位指名で獲得した高校生はわずかに2人。投手は下位指名まで含めても一軍の戦力になっているのは2013年6位の二木康太のみで、2008年に育成で指名した西野勇士が出世頭となっている。大学生・社会人は戦力になっている選手が多く、特に野手の成功率が高いがほとんどの選手がリードオフマンタイプであり、長年長打力不足に苦しんでいる。育成に時間のかからない外れの少ないタイプをかき集めればそれなりに戦えるが、優勝には届かないというのをよく証明していると言えるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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