「大人も、がんばって働いた一日の終わりにテレビや動画を見てくつろぎたい気持ちはよくわかります。しかし、大人よりも長い睡眠を必要とする子どもの睡眠時間が奪われているとしたら、それは大きな問題ですよね」(白濱先生)
大人が遅くまで起きていると、子どももつい引きずられがち。ただでさえ忙しい小学生の眠りを守るのは、親の意識改革、家族の生活パターンの改善が必須です。そこで、いちばん見直し効果が高い3カ条をあげてみました。
(1)決まった時間に寝る
「眠りの優先」という軸で、夕方以降の動きを見直してみましょう。「帰宅後すぐにテレビを見るのをやめる。お風呂のあとは本を読んだり会話したりして◯時に消灯」など、行動をパターン化します。これで、正しい眠りを習慣づけましょう。
(2)朝の時間を活用する
夜が更けると、人の脳や体はゆるやかにシャットダウンへ向かうので、深夜に行う学習や仕事は効率が落ちることがわかっています。眠いのを我慢してだらだらと勉強をするくらいなら、きっぱりと早く寝て、早朝の時間を活用するほうがずっとはかどります。
(3)テレビやスマホの「だらだら」を断つ
テレビやネットをだらだらと見続けてしまう。大人も、気づけばなんとなくスマホを操っていることがよくあります。このような「時間食い」のアイテムは、大人も子どももきちんと時間を決めて向かうようにルールを作りましょう。とくに、スマホやパソコンなどの画面が発するブルーライトは、体内時計を乱す「リズム障害」の原因にも。また、光は脳を覚醒させる働きがあり、眠りのホルモンの働きも弱めてしまいます。夜は光を控えめにすることで、脳も体も自然とゆったりと眠りに向かえます。
受験を控えたこの時期、どうしても親も子どもも睡眠を削りがちです。でも、睡眠不足に一利なし。深夜の勉強ではなく、しっかりと睡眠をとって、合格を勝ち取って!
高濱正伸,安浪京子,安宅和人,アグネス・チャン