■二つの核燃料サイクル

<プルサーマルのサイクル>
一般の原発から出た使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、MOX燃料の一部に再利用するしくみ(プルサーマル発電)。サイクルは1回だけ。日本でも小規模で実施中。国内の再処理工場とMOX燃料工場は未完成のため、日本はイギリスとフランスに使用済み核燃料を運び、再処理とMOX燃料の製造を委託してきた(※)。
※日本が海外に委託した再処理などによって出たプルトニウムの量は、国内外に約48トン(原爆6千発分)もある。

<高速増殖炉のサイクル>
一般の原発から出た使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、プルトニウム含有量の高いMOX燃料をつくって、高速増殖炉の燃料にするしくみ。高速増殖炉で燃やすとプルトニウムは増えるため、「夢の原子炉」と呼ばれた。サイクルは理論的には数十回可能だが、複雑でコストがかかることがわかり、実用化されていない。

■どうすればいい? 竹内さんの解決シナリオ

 日本にはつくってしまったプルトニウムを処理する道義的な責任がある。「期間限定でプルサーマル発電をする」「捨てる研究をする」必要があるだろう。今後プルトニウムを増やすのはよくない。使用済み核燃料は再処理せず、しばらく保管して、「そのまま捨てる」方向へ政策を変えるべきだ。

※月刊ジュニアエラ 2016年12月号より

ジュニアエラ 2016年 12 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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