【21世紀に起きたテロ事件】
<アメリカ・ニューヨーク(01年9月)>
◆テロ世紀の幕開け
4機の旅客機がハイジャックされ、うち2機がニューヨークの世界貿易センタービルに、1機がワシントン近郊の国防総省に衝突。今世紀のテロ事件史上最多の3千人以上の死者が出た。犯行がテロ組織アルカイダによるものと判明すると、アメリカは「テロとの戦い」と称して、アフガニスタン戦争とイラク戦争をしかけた。
【キーワード:アフガニスタン戦争(01年10月~12月)】
アルカイダの指導者であるオサマ・ビンラディンをかくまったとして、アフガニスタンに対してアメリカなどが起こした戦争。政権は崩壊し、ビンラディンは11年5月に殺害されたが、現在も駐留するヨーロッパやアメリカ軍との抵抗戦が続いている。16年末にアメリカは駐留軍を約半分に減らす予定だったが、現状維持が決まった。
【キーワード:イラク戦争(03年3月~11年12月)】
イラクが持つ大量破壊兵器がテロの支援に使われているとアメリカが主張し、イギリスなどの多国籍軍とともにイラクにしかけた戦争。結局、大量破壊兵器は見つからなかった。この戦争には、日本の自衛隊も人道復興支援として参加している。
<ロシア・北オセチア共和国(04年9月)>
◆入学式に起こった悲劇
べスラン第1学校の入学式にテロ集団が乱入し、生徒と親、教師らを監禁。体育館が3度にわたり爆破され、多数の子どもを含む300人以上が死亡した。犯人グループは、隣国のチェチェン共和国からのロシア軍の撤退を要求するチェチェン独立派武装勢力の一派。
<ノルウェー・オスロ/ウトヤ島(11年7月)>
◆単独で77人を殺害!
首都オスロの政府庁舎前で自動車爆弾により8人が死亡。その後、郊外のウトヤ島で69人が射殺された連続テロ事件。アンネシュ・ブレイビク被告は「キリスト教原理主義者」のノルウェー人。国内への移民の受け入れに反対しており、裁判では犯行について「自分の民族や宗教を守るためだった」と無罪を主張した。
<フランス・パリ (15年11月)>
◆花の都が血の海に……
パリ中心部のコンサートホールやレストラン、近郊のサッカー場などが、自動小銃を持った武装集団に襲撃され、130人が死亡した。実行犯はフランス人やベルギー人など10人ほどのグループ。首謀者のアブデルアミド・アバウドは過激派組織「イスラム国」(IS)のメンバーだった。
<バングラデシュ・ダッカ (16年7月)>
◆バングラデシュで日本人が犠牲に!
バングラデシュの首都ダッカで武装集団がレストランを襲撃し、日本人7人を含む人質20人が犠牲となった。事件に巻き込まれた日本人は、国際協力機構(JICA)のプロジェクトでバングラデシュの支援や開発事業に携わっていた人々だった。実行犯はバングラデシュ出身で、ISに関係するともいわれるイスラム過激派組織のメンバー。店内の客や従業員のなかから「イスラム教徒ではない外国人」を選別して、危害を加えたとされている。
※月刊ジュニアエラ 2016年9月号より