また、他大学への進学者が多い理工系大学の付属校・工学院大学附属(八王子市)、東京電機大学(小金井市)も好調だった。 

「最近は、大学の付属校でありながら他大学の受験も支援する、『半付属校』が人気です。セーフティーネットとして併設大への推薦枠を担保しながら、より上位の大学も狙えるという点が受験生に支持されています」(森上教育研究所代表の森上展安さん)

 付属校人気に一服感はあるものの、依然として志願者の人数は多い。 首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成さんは、その要因を次のように話す。

「2022年からの高校への新学習指導要領導入にともない、25年からの大学入試が大きく変わると言われています。保護者はそういう情報を得て、わが子が受験することになる7年先の大学入試のあり方を見据えて、安全弁として付属校を選んでいるのではないでしょうか」

■3年連続増加の快挙

 安田教育研究所の調べによると、日本女子大学附属(川崎市)、共立女子第二(八王子市)、昭和女子大学附属昭和(世田谷区)、女子美術大学付属(杉並区)の四つの女子大付属校が3年連続で伸びているという。

「1都3県には27校の女子大付属校がありますが、この4校は併設大学への進学者が多いという共通項があります。入試には、前年に志願者を伸ばした学校が難化して敬遠され、志願者が減少する『隔年現象』がつきものの中、3年連続増加というのはめずらしいですね」(安田さん)

 共立女子大学は20年にビジネス学部を開設、昭和女子大学は米テンプル大ジャパンキャンパスとのダブルディグリーが可能になるなど、4校の併設大学は改革が進んでおり、その勢いが付属校にも及んでいる模様だ。

 昨年の志願者と比較すると、日本女子大学附属は628人から669人に、昭和女子大学附属昭和は1350人から1435人に、女子美術大学付属は796人から926人に、共立女子第二は394人から455人に増加した。

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