こんにちは、エディターのあっこです。みなさんは、親として子どもに期待することはありますか? 私はたくさんあります! 初めての子育てのときは、「しっかり育てなくては」という責任感が強いあまり、なんでもうまくできてほしいと多くを期待していました。
しかし、今回紹介する絵本に出会ってから、できないところに注目するよりも、すでにできていることを大人が見つけて伸ばすことで、どんなふうにでも子どもは自力で成長していくものだと学びました。その本がこちらです。
『てん』(あすなろ書房)
主人公は、お絵かきの時間が大嫌いで、授業のときにちっぽけな「てん」だけを描くのが精いっぱい。白い紙の真ん中に、ちっぽけな「てん」だけを描きました。
それを見た先生は、どうしたのでしょうか?
続きはぜひ絵本で楽しんでくださいね♡
先生のおかげで、主人公はより上手に「てん」を描くことに熱中していくのですが、この絵本を読んだわが家の長男は、まねをして白い紙の真ん中に「てん」を小さく描きました。まだ幼稚園児のときのことです。
それを見た私はもちろん、絵本の中の先生と同じように接しました。
もし、この絵本を読んでいなかったら、「なに、そのてんは?」と言っていたと思います。無意識に上手に描くことや、大きく描くことなどをアドバイスしたでしょう。
現在、長男は中学1年生になり、美術は苦手ですが、絵を描くことはとても好きです。絵と言っても漫画を写すことですが、絵の種類の良し悪しではなく、本人が好きで上達したいと思って描いているため、とことん描いてもらっています。「好き」や「できていることを否定されない」――。そんな中から自力で成長する姿を見守っているところです。
どうしても学校では「評価」されることがあり、美術の成績があまりよくないため一喜一憂すると思うのですが、否定されないことが大切だと感じています。
子どもの「苦手」の中から新しい視点や楽しさ、面白さを与えられる――。
見守り寄り添う、そんな大人でありたいです。
(文/あっこ)
ピーター・レイノルズ,谷川 俊太郎