安浪:中堅の学校でも実施している学校はまだ少ないですよね。

矢萩:そうですね。そのあたりの学力で、詰め込みの勉強を避けたい、という場合は、公立中高一貫校を考えるご家庭が多いイメージです。

安浪:ご相談者さんのように、大手進学塾に通っていながら、新型入試を考えるのは難しい?

矢萩:無理ではないですが、塾では新型入試の対策をするのが難しいんですよ。学校ごとに形式や採点基準が違うので手間もかかるし、教え方も異なる。本当に好きな学校があったら、ご家庭で研究して問題に向き合っていくしかないのが現実ですね。でも基礎的な学力があれば理論的には可能ですよ。

安浪:大手塾のスキームに乗るということは、例えると入試本番に向けてマイクロバスに乗せて連れて行ってくれるようなもの。そこが最大のメリットですもんね。でも、それに乗らないと自分たちでルートや手段を探さないといけないから手間はかかるし、不安にもなります。もっともマイクロバスでラクに連れて行ってくれると思ったのに、そう簡単にはいかないのが中学受験なんですが。

矢萩:「新型入試」は、特別に中学受験のための勉強をしたことがないけれど、小学校の勉強はきちんとできています、という子なら対応できる試験が多いので、そういうご家庭が多いし需要も増えてきている感じですね。面白いところでは東京都の男子校・聖学院がやっている「レゴ入試」。テーマに合わせてレゴを制作し、その内容について面接で話をするというものです。

安浪:それはやっぱりレゴ好きの子が受験するのですか?

■奥手の子どもでも実力を発揮しやすい

矢萩:いや、必ずしもそうではなくて、ペーパーテストなど書くことが苦手でもオーラルコミュニケーションが得意な子が受験を希望するケースもありますね。学校側が、その子がどうしてその作品を作ったのか、アイデアを引き出そうと質問してくれるので奥手の子でも実力を発揮しやすいんです。

NEXT書くことが苦手な子は増えている
1 2 3