誰もが知る“巨大怪獣”の、誰も知らない“死んだ後”を描く今までになかった空想特撮エンターテインメント映画「大怪獣のあとしまつ」。小中学生向けニュース月刊誌「ジュニアエラ」2月号では、主演するHey! Say! JUMPの山田涼介さんに話を聞きました。
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── 物語は、暴れまくっていた大怪獣が突然、謎の光に包まれて死ぬところから始まります。その死体はそこに残って腐っていく──。どう処理をするか右往左往する政府首脳陣と、現場で対応に追われる特務隊員たちの対比がすごく面白いです。山田くんは特務隊の中心的存在、帯刀アラタを演じていますね。
ありそうでなかった物語だし、大人が全力でふざけるとこうなるのかという、すごく面白い作品です。アラタに関しては、まず特務隊ってなに?と(笑い)。でもまぁぱっと見、強そうなイメージを持てたほうがいいだろうなと思って、オールバックでサイドを刈り上げるみたいな髪形にして。あとずっと帽子をかぶっているので、考えるときに帽子のつばを触ったりするクセを勝手につけたりしました。アラタはあまりキャラが濃くないですからね。逆に、現場に指示を出す総理大臣(西田敏行さん)とか大臣たち(ふせえりさん、岩松了さんなど)のキャラはすごく濃くて。
──「時効警察」シリーズなどで知られる三木聡さんが監督・脚本のオリジナル作品。クセの強い三木組常連俳優の方々が多数出演されています。
そう。その中でアラタはふざけたことも言わないし、この作品の中で唯一、ブレずに自分の任務を全うしようとする男なんです。だからなおさら「ずっとかっこいい男でいよう」みたいなことは意識してました。でも、大臣たちが自由に軽快にやりとりしているシーンも実は一切アドリブはないんです。台本は一字一句変えないでほしいという三木さんのこだわりがあって。僕のところもそう。そういう意味では難しかったですね。でも台本どおりにやることで唯一無二の三木さんの世界観とか、出演者の「らしさ」が出る。常にそうやってつくってきたんだ、恐ろしいほど計算し尽くされているんだなぁと感じました。
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