千葉県では前述の通り、併設型だった千葉市立稲毛高校附属が、「千葉市立稲毛国際中等教育学校」と名前を変え、中等教育学校に変更した。募集定員も80人から160人と2倍になり、男女枠も廃止した。志願者は607人から858人に増えたものの、2倍には至らなかった。
「難易度が上がっており、簡単には受からないことがわかってきたので、対策をしっかりした受検生が受けるようになったためです」(宮田さん)
「国際」の冠をつけることに伴って英語重視の姿勢を示し、2次検査の内容に英語を追加。難易度は、小学5、6年生が学校の授業で勉強するレベルだという。
■千葉県立東葛飾が10倍超え
県立千葉(千葉市)は、倍率が7.56倍から7.50倍に微減したものの、依然高い水準を保っている。今年も2次検査の面接を中止した。県立東葛飾(柏市)は10.81倍と、1都3県の公立中高一貫校で唯一、10倍を超えた。
埼玉県では、昨年開校した川口市立高校附属の志願者が581人から418人と大きく減少した。
「公立中高一貫校は開校初年度に志願者が大勢集まりますが、翌年は減少します。来年も、もう少し下がりそうですが、それ以降は落ちつくでしょう」(宮田さん)
さいたま市立大宮国際は設立当初から英語入試を行っている。今年はコロナの影響で「英語集団活動」をグループワーク形式からプレゼン形式に変えた。
今年は県立伊奈学園(伊奈町)の2次試験日が前倒しになり、県内の公立中高一貫校4校の2次試験日がすべて同一日程になったため、併願ができなくなった。埼玉県の各校の志願者は、さいたま市立浦和は561人から624人、大宮国際は628人から686人、伊奈学園は402人から440人と増加したものの、川口市立の減少が響き、埼玉県全体では微減となった。
(文/柿崎明子)