近年、教育のキーワードとして注目される「探究」。今年から全国の高校で「総合的な探究の時間」が必修化され、そのほかの多くの科目でも探究的な学びが重視されるようになりました。学校教育だけでなく、「子どもに探究的な学びを経験させたい」という小中学生の親も増えています。AERA dot.の本連載「偏差値にとらわれない」中学受験相談室、今回は「番外編」として、いつもお悩みに回答してくれる探究学習の第一人者、矢萩邦彦さんが、「探究的な学びとは何か」を解説します。

 4月23日、この連載のお二人、矢萩邦彦さんと安浪京子さんによる親子セミナーが大阪で行われました。題して「学ぶことがもっと好きになる 算数&国語の探究的学び方」。中学受験コンテンツでも、詰め込みではない学び方があるはず。そんな「探究的学び」を親子で体験してもらうために、国語は矢萩邦彦さん、算数は安浪京子さんがミニ授業を行いました。普段の学校や塾とは違う内容に、子どもたちも興味津々。親も子どもと一緒になって考えました。

 本稿で紹介するのは、セミナーの冒頭に矢萩さんが解説した「探究的な学びとは何か?」についてのお話の一部です。

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 そもそも「探究的な学び」っていったいどんなものだと思いますか?

 実は「これが探究的な学びです!」と定義できるものってないんですね。強いて言えば、好奇心を持って、「もっと知りたい」「もっと掘り下げたい」と思ったらそれは全て探究的な学びにつながります。だから、学校や塾での勉強だけでなく、いろいろな経験をしている大人に会って、対話をすることも「探究的な学び」になるんです。

 では、そんな「探究的学び」がいまなぜ、教育界で注目されているのだと思いますか?

 まずはいまの教育界全体についての話をしていきたいと思います。

 数年前より、「教育改革」というものが盛んに言われていますよね。一言で言うと、これだけ社会が変わっているのに、学校や教育が変わらないと困るよね、ということです。

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江口祐子
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