「息子は一人っ子なので、子ども同士で遊ぶ経験が少なくなりがち。同年代のお友達と気軽に遊べるよう、幼稚園のない日は朝10時以降ならいつでも家に呼んでいいと息子には伝えていました」

 たっぷり遊べるように、アイロンビーズや粘土、折り紙などは常にストックしておいた。その結果、キリくんは「ぼくの家に来ていいよ」と手当たり次第に友達を誘うようになり、自宅は周りから「児童館」と呼ばれるほどに。子どもがたくさん遊べる機会を積極的につくり出していた。

(2)ストレスをなくし、集中して遊べる環境をつくる

 タエさんが遊ぶ機会づくりと同様に大事にしていたのが「遊びにどれだけ集中できるかどうか」。退屈してボーッと過ごすよりも、集中して遊んでいるほうが脳は働いているはず。遊ぶときにおもちゃが見つからない、取り出せないなどのストレスを受けて、遊ぶことをやめてしまっては意味がない。そう考えたタエさんは、集中して遊べる環境づくりを徹底した。

 当時住んでいた2LDKの自宅の一室を、家具の置かれていない広々とした遊びスペース(兼寝室)に改造。押し入れの戸を外して、ロールカーテンを取り付け、下の段すべてをおもちゃの収納場所に。カーテンを半分上げれば、おもちゃは取り出し放題。好きなおもちゃを選んですぐに遊べる状態にしていた。

(3)好きなことにはとことん付き合う

 3歳でキリくんが昆虫好きになったときは、分厚い図鑑やポケット図鑑、網と虫カゴなどを買い与え、毎日のように虫を捕りに親子一緒に出かけては図鑑で調べていた。昆虫が展示されている博物館にも何度も出かけ、図鑑に載っていない虫を持っていき、名前を教えてもらったことも。

 その後も戦隊ヒーローものや爬虫類などブームが訪れるたびに、とことん付き合っていたという。

「今となっては昆虫の名前をまったく覚えていませんが、当時はかなりの種類を暗記していました。その後もいろんなものを好きになりましたが、あのときの熱中する力はすさまじかったです。今振り返ると、これらの経験が、後の勉強への集中力や探究する力につながっていたと思います」

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