高学年ほど居場所がなく夏休みがゲーム三昧に
――共働きの家庭だと、数日の休暇が取れるとしても、1カ月以上ある夏休みを子どもだけでどう過ごさせるかは保護者にとって大きな問題です。
ええ、そうなんです。そこで第一の選択肢となるのが、学童保育です。学校に併設されていたり、学区内にあったりと、共働き家庭だけが対象ですが、日ごろの放課後の居場所なので、安心して通うことができるのが最大の利点です。
ただ、低学年の間は安全でいいとしても、高学年ともなると、学童施設の室内だけでは自由な遊びができず、物足りなく感じる子も少なくありません。
また、小学1年生と6年生では成長度合いも遊びの仕方も大きく異なるので、混み合った部屋で長時間一緒に滞在し続けるのは無理があります。
かといって、昨今の猛暑の中での外遊びは熱中症になる危険性も高い。なかなか子どもたちのそれぞれの成長に見合った居場所がないのが実情です。
――小学校高学年の子たちが、夏休み中のほとんどを家の中で過ごして、体を動かす機会や様々な体験を得られるチャンスが少ないのは、少し心配です。
本来であれば、高学年の子たちにとっても学童保育が魅力的な居場所になればいいのですが、スペースが狭かったり、スタッフの人数が足りなかったりする問題もあり、現実的にはなかなか、全ての小学生を受け入れるのは難しいのが実情です。
結果、中・高学年の子どもたちは、家の中でゲームなどをしてひとりで過ごす時間が多くなってしまうというデータがあります。
もちろん、ゲームや動画を見ることがすべて悪いというわけではないですが、やはり友達とリアルなコミュニケーションをとったり、体を動かしたりできる場所があれば、中・高学年の子どもたちにとっても、有意義な時間になりますよね。
やはり、長期休み中の小学生の健全育成という視点で考えても、様々なイベントやアクティビティに参加するなど、多様な選択肢がある夏休みを過ごせることが大切だと私たちは考えています。
