最後の沼(7)は「自分の成育環境」です。

「自分の行動を責める傾向が強い」
「親に言われた忘れられない言葉がある」
「自分の育った環境はみじめだと思う」
「親に見てほしかった。わかってほしかったという思いが今もある」
「実家に帰ると体調が悪くなる」

 これで以上です。

 沼のうち、(1)~(3)は「自分VS子ども」、(4)(5)は「自分VS他人」、(6)(7)は「自分VS自分」の間に起こる問題になります。

 現代に特有の落ちやすい7つの沼ということでご紹介しました。

 ご自身がはまっている沼は7つのうちのどれでしたか。

 自分がイライラしやすい場面や不安になりやすい状況を書いたりして、自分がはまっている沼に気づくのもいいと思います。

 沼から抜け出すには、自分が日々とらわれてしまっている枠を自覚して、そこから少しずつでも出ていくことが大切です。

「枠」とは、「すべき」とか「しなければならない」などと感じている自分の「思い込み」です。

 この思い込みをはずすことで不安やイライラする場面を減らし、「幸せ体質」に親がなっていくことが「戦略的ほったらかし教育」には大事なのです

 もう、本当に子育ては壮大な事業であり、複雑で難易度の高い意思決定の繰り返しです。

 この意思決定をバシッとするためにも、やっぱり自分の思い込みや信念だったり、自分がはまってしまっている沼が何なのかを知ることは大切なことだと思います。

 沼にはまったことって、ありますか。

 足がとられるじゃないですか。一歩一歩が進みにくくなってしまうので、できるだけ精度の高い意思決定をするためにも、沼から出ることが大切。自分のはまっている沼を知っていく、自分理解をしていくということがとても重要なんです。

 子育てはね、行き詰まったりしたら学べばいいんですよ。「子育て」は、「子どもを育てる」というふうに書きますけど、私は「己を育てる」で「己育て」なんだと思います。

 どこまで行っても自分自身をバージョンアップさせていくための教材が子ども、みたいな感じに私は思っています。

(構成/ディスカヴァー編集部)

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自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育

岩田かおり

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