これらの方法で効果が見られない場合は、「ボツリヌス毒素製剤」の注射を行う方法もあります。アセチルコリンの放出を抑える働きがあり、脇汗についてのみ重症と判断されれば保険適用となるケースもあります。
親はどのように見守るのがよい?
Q:子どもに多汗症のような症状がある場合、親はどう対応するのがよいでしょうか。
多汗症はデリケートな問題です。まずは、「もしかしたら、何か汗に関して困っているかもしれない」と心にとめながら、お子さんの様子を見守ってみるとよいでしょう。必要そうであれば、さりげなく声をかけてみるのもおすすめです。
本人が明らかに悩んでいる様子がある場合には、皮膚科の受診を勧めてもよいでしょう。問診だけで診断できること、塗り薬での治療法があることを伝えると、子ども自身も安心しやすくなるでしょう。
ただし、本人が特に気にしていないようであれば、無理に受診を勧める必要はありません。多汗症の治療は「本人がどれだけ困っているか」を基準に判断することが大切です。
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(取材・文/柳澤聖子)
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