「スケジュール管理は人生そのもの」——4人の子ども全員を東大理三に合格させた母・佐藤亮子さんは、そう言います。中学受験は、限られた時間の中でやるべきことを的確にこなす“段取り力”が勝負を分ける世界。だからこそ、毎日の予定を「書いて、可視化する」ことの積み重ねが欠かせない、といいます。本記事では、中学受験カウンセラー安浪京子先生との共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』から一部を編集してお届けします。

 遅刻するというのは結局は段取りが悪いのが原因です。10分早めに行動したら遅刻しないのに、その10分の予定が頭の中で立てられないというわけです。

 私は、遅刻することは避けたかったので、子どもの習い事や塾がある日は、家を出る時間もスケジュールに書いていました。車で移動することが多かったので、安全運転で途中で渋滞に巻き込まれても間に合うよう、余裕を持って出発する時間を書いておきます。

 直前になってから「今日は何時に出ればいいんだっけ?」と考えるより、ノートに書いてあるほうが安心ですし、子どもにも早めに「何時何分になったら出かけるから準備してね」と言えます。帰りも同様にゆったりめに時間を組みます。何事も早めに行動すると、心の余裕ができますから、落ち着いて取り掛かれます。

 実は、段取りと受験は密接な関係があります。

 受験直前になって「なんでもっと社会を早めに対策しておかなかったんだろう」などと思っても後の祭り。日頃から、意識して段取り力をつけることが、合格には非常に大切なのです。

 今まで、段取りが苦手だった親御さん、お子さんが中学受験をやろうとしているのでしたら、「これを機に段取り上手になろう」と決意してみるのはいかがでしょうか。

 スケジュール管理に関しては、親の得意不得意とは関係ありません。みんな子育ては初めてですし、とにかく試行錯誤あるのみです。

 もちろん、慣れるには手間暇がかかります。でも、中学受験の勉強を教えるのは難しくてもスケジュール管理なら大丈夫です。まずは気楽に「とりあえず」やってみてください。

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佐藤亮子
佐藤亮子

さとう・りょうこ/4人の子ども全員を東京大学理科三類に合格させた実績を持つ教育・子育てアドバイザー。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)、安浪京子さんとの共著『中学受験の意義 私たちはこう考えた』(朝日新聞出版)など。

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