ただ1回だけ、テストの点数がふるわなくて、他の校舎に落ちてしまったことがあったんです。そんなにショックを受けた訳ではなかったものの、子どもながらに「あ、落ちちゃった。どうしよう?」と思ったことを覚えています。

 でもその後、算数のテストで5回連続で100点をとり、結果、一番上の校舎に戻ることができた上に、一番上のクラスに入れたんです。

 今改めて、そのことについて考えるのですが。私は別にクラスが落ちたからといって、それほど「悔しい」とか「どうしよう」とか焦るでもなく、淡々と今まで通りの勉強を続けていたんですね。それで戻れた。つまり、誰にでも成績には波があるということ。クラスが落ちたのもたまたま調子が悪かっただけ。100点取れたのも、調子が良かっただけなんじゃないかなぁと。

 ただ、もしあのとき母に「なんでクラス落ちちゃったの?」と怒られたり責められたりしていたら、逆に落ち込んで、自分の勉強のペースが乱れて、潰されていたかもしれないですね。

 自分が親となった今、それはやりがちなことだとわかるので、自分の子どもたちに対してその点は、改めて親として気を付けたいと思います。

楽しみのひとつが塾弁当

 高学年になると、平日塾から帰ってくるのが夜9時くらいなので、夕ご飯は塾で母が作ってくれたお弁当を食べていました。この「塾弁」は塾通いの楽しみのひとつでしたね。当時革新的に保温型のお弁当箱が発売されて、お弁当に温かいお味噌汁をつけてもらえるようになって、「おぉ、すごい」って感動したことをよく覚えています。

 当時は意識していませんでしたが、塾弁作りから最寄り駅までの車での送迎など、全部母が伴走してくれていたんですよね。私が何不自由なく勉強に集中できたのは母のおかげだったと今改めて思います。

 しかも中学受験中、母から頻繁に勉強しろと言われたり、見張られていたりするような感じはありませんでした。まぁ、さすがにテレビを見たり、ファミコンで遊んだり、ダラダラしている時も多かったので、そういう時はもちろん注意されましたけど。

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