なんといっても、私の大好きな漫画雑誌『りぼん』と『なかよし』も自分で毎月購入していて、受験だからと中断させられることもなかったのは、本当にありがたかったですね(笑)。

中学受験から得たものは、その後の大学受験にも生かせた

 そんなこんなで迎えた受験本番。受験校はこの成績だったらこの学校を受けるものと決まっている感じでした。今みたいに情報も溢れていなかったので、校風とか、女子校と共学の違いとか、あまり考えることもなく、偏差値で志望校を4校に絞った気がします。

 唯一覚えているのは第一志望の桜蔭の入試の日に大雪が降って、地元の駅で派手に転んで頭を打ったことです。大怪我には至らず、気持ちを切り替えてテストに臨みましたけど(笑)。今考えると本当に、淡々とした性格だったんですね。テストの手ごたえも、「まぁ、大丈夫かな?」ぐらいだったと思います。

 とはいえ、さすがにテストは何があるか分かりませんから。合格発表を見に行ったときはドキドキしました。番号が貼り出されて、自分の番号「142番」を見つけたときはすごく嬉しかったです。

桜蔭中学校の入学式
桜蔭中学校の入学式

 小4~6年の塾通いはそれなりに大変でしたが、中学受験を通じて得たものは合格以外にもたくさんあります。目標を達成する力や自分で何かをやろうとする意欲とか、わからない問題にも忍耐強く取り組んで、先生に質問する姿勢などです。そう考えるとやって良かったですし、これらの力は大学受験にも生きてきたと思います。

 ただ、私が最後まで息切れせずに中学受験を頑張り抜けたのは、小3まで思い切り遊んでいたから、ということも理由の一つにあると思います。

 もし3人(小1、4歳、3歳)の子どもたちが中学受験をするとしても、ひとまず今の時期は遊び中心の毎日を楽しんでもらいたいですね。

(取材・文 阿部桃子)

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 菊川怜さんが、“てんやわんや”な3児子育てや、自身の子ども時代などを語るAERA with Kids+の連載「菊川怜の子育てはいつも想定外」。次回もお楽しみに!

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