今考えると、姉の私に対する発言は自分のコンプレックスからきたものだったのかなと思うのですが、当時は姉の言うことは“絶対”という感じだったので、ほかのことにも自信をなくしてしまって。絵を描くのが好きだったのですが、否定されているうちにそうした好きなこともやらなくなってしまいました。
「痩せなさい」担任からの言葉
――体型のことやからかわれることなどについて、ご両親や学校の先生に相談したことはありますか?
大人に相談するという発想はなかったですね。自分が痩せればいいだけのことだと思い込んでいたので。両親には相談したわけではないですけど「成長すれば身長も伸びるし、大丈夫だよ」という声はかけてくれていました。
担任からは「痩せなさい」って言われていました。クラスで児童一人ひとりに先生がメッセージを伝えるという時間があって、そのときに「今のうちに痩せないとまずいことになるぞ」って。今なら問題発言でしょうけど、ルッキズム(外見至上主義)が問題視されていなかった時代なので。先生の言葉は自分にとって大きかったです。自分のからだを否定されたような気持ちになって、落ち込みました。
――友だちに相談したことは?
“○○ダイエット”みたいにいろいろなダイエット方法が流行っていた時期でもあったので、友だちに「私もダイエットしたいな」とか、「痩せたいな」という話はしました。その友だちは「痩せたら、なおじゃなくなっちゃう。私は今のなおが好きだよ」と言ってくれて。でも当時の私には響かなかったんです。体型のことで嫌な思いをたくさんしていましたし、着たい服を着られないという状況でもあったので。
――小学生のときにダイエットをしようと考えたことはありますか?
痩せるためには運動するとか、食べる量を減らすくらいの知識しかなかったので、父と兄がランニングに行くのについていったり、給食でおかわりするのをやめたりはしました。ただ、運動が苦手なので、ランニングは全く続かなかったです。家での食事は、子どもは出されたものを食べるしかないので、調整するのは難しかったですね。
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