内閣府が小学生を対象に行った調査によると、「痩せたい」という女子の割合は小学1年生で3割、6年生になると約半数にのぼりました。プラスサイズモデルやエッセイストとして活躍する吉野なおさんは、小学生のときから自身の体型に悩み、過激なダイエットや体調不良に苦しんだ経験があります。小学生時代はどのような言葉に傷つき、悩んでいたのでしょうか。お話をうかがいました。※後半<「痩せたら付き合ってあげる」の言葉で過酷なダイエット…30㎏減、摂食障害も プラスサイズモデルが「自己否定」から抜け出せた”きっかけ”​>に続く

MENU
体型が気になり始めたのは小学4年生
「痩せなさい」担任からの言葉 「痩せたい」理由を聞いてあげて

体型が気になり始めたのは小学4年生

――小学生のころはどのようなお子さんでしたか?

 低学年のころはシャイで、言いたいことがあっても我慢してしまうような子どもでした。小学校は好きではなくて、渋々通っているような感じで。学年が上がるにつれて、周りの子たちとの関わりが増えて、冗談を言ったり人を楽しませたりするようになっていきました。ただ、4年生くらいからぽっちゃりしてきていたので、同級生の男子からいろいろ言われるようになって、自分の見た目が気になるようになりました。

――どんなことを言われたのですか?

「太っている子って生理が早くくるらしいけど、お前はもうきたの?」とか。公園で知らない女子に「体重何キロ?」って聞かれて答えたら、その子が仲間のところに戻って私の体重を報告しているのが聞こえてきたこともありました。

小学5年生頃の吉野なおさん。
小学5年生頃の吉野なおさん。

――周囲の大人はどうでしたか?

 大人にもからかわれましたね。小児科で診察を受けるにあたり、待合室にあった体重計で体重を計らされたときにお医者さんが「君、この体重だと小児科じゃないから、大人の病院に行って」って。待合室にいたほかの大人たちに笑われて恥ずかしかったです。

 兄が2人、姉が1人いるのですが、姉からも「痩せたほうがいい」ってよく言われていましたね。私は勉強が得意ではなかったので「太っていて勉強もできないなんて最悪だよ」とか、「妹が太っていると友だちにからかわれるから一緒に遊びたくない」とか。当時は知らなかったのですが、姉も小学生のころにぽっちゃりしていた時期があったみたいなんです。

次のページへ大人には相談しなかった
著者 開く閉じる
中寺暁子
ライター 中寺暁子

健康情報誌編集部などを経て、2000年からフリーに。医療・健康・教育のテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

1 2 3