――家での食事はどのようなメニューが多かったですか?
思い返してみると、そもそも家の食事が偏っていたんです。自営業で両親とも働いていましたし、四人きょうだいで、母は料理が得意ではなかったので、食事を用意するのも大変だったと思うんです。だから夕食はお惣菜の揚げ物が多くて。お惣菜のコロッケとごはん、足りなかったら菓子パンを食べて、という感じでした。父は毎日のようにカップ麺を食べていたんですけど、残ったスープを私が飲み干していました(笑)。
「痩せたい」理由を聞いてあげて
――もし子どもから「痩せたい」と言われたら、保護者はどう返せばいいでしょうか。
どうして痩せたいのか、まず聞いてあげてほしいです。痩せたいと思う理由として、何か困っていることがあるかもしれないからです。友だちにからかわれるとか、洋服が入らないとか。そのせいで自己否定をしてしまっているかもしれないので、褒めてあげること、家を安心できる場所にしてあげることも大事なことだと思います。
少し前にSNSのフォロワーの方から聞いた話なのですが、保育園に通う女の子が「痩せたい」と言い出して、理由を聞いたら保育園の先生がほかの子を「足が細い」って褒めていたそうなんです。子どもは大人に褒められたいと思うものなので、無意識にルッキズムを助長するような発言をしていないかどうか、大人が気を付けることも必要ではないでしょうか。
また、多いのが親自身もダイエットをしているケースです。成長や発達段階にある子どもは欠食をせずにバランスよく食べる必要があることを伝えるなど、親子で一緒に栄養について学べるといいですね。

――SNSの普及もあり、アイドルのようなスリムな体型への憧れが強まっている傾向もあります。
私もそうだったから、その気持ちは、すごくよくわかります。でもアイドルが人気なのは、体型だけが理由ではないですよね。キャラクター、歌やダンスの技術など、それぞれ人気の理由があると思うので、そうした面にも目を向けてほしいと思います。子どもたちには「人と比べるのではなく、今の自分を幸せにしてあげるにはどうしたらいいのかを考えて」と伝えたいですね。
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(取材・文/中寺暁子)