育児とキャリアの両立を支援するため、2023年度から社内学童保育や子連れ出勤のトライアルを実施しているコクヨ。これらの取り組みは、社員の働きやすさをどう変えたのでしょうか? 導入の背景や利用者の声を、ヒューマン&カルチャー本部HR戦略推進部の藤井加奈子さんに聞きました。

MENU “小4の壁”をどう乗り越える? 長期休みの心配をゼロへ 社内学童では、知的好奇心を刺激するプログラムを多数用意 社内学童は95%、子連れ出勤は75%が「また利用したい」 社員は社会から預かっている財産だから

“小4の壁”をどう乗り越える? 長期休みの心配をゼロへ

——社内学童保育や子連れ出勤を検討された背景を教えてください。

 以前、社内でアンケートを行った際、小学生の子どもを持つ社員から、「子どもの体調不良時の対応が難しい」「帰宅時間の調整が大変」「長期休みの過ごし方や子ども一人で留守番が心配」といった声が多く寄せられました。特に、小学4年生以上になると、学童に子どもを預けられなくなる、いわゆる“小4の壁”に苦労しているという声も少なくなかったのです。これらの悩みに対し、会社としてできることはなんだろうか、と検討し始めました。

 コクヨでは、会社のさらなる成長に向け、「社内外のWell-being(ウェルビーイング)の向上」を重点課題のひとつに掲げています。なかでも重視しているのが、Life Based Working(ライフベーストワーキング)という考え方。自分らしい働き方・学び方・暮らし方のバランスが整っている状態を目指しています。

 その取り組みの一環で、「さまざまな事情を持つ社員同士が、相互理解しながら自分らしく働けるためのベースとなるようなしくみを作るには?」「親が会社や家で働き、子どもは保育園や学童へ、という従来の形だけではない、“第3の選択肢”があってもいいのでは」という発想から、社内学童保育や子連れ出勤のアイデアが生まれました。

社内学童では、知的好奇心を刺激するプログラムを多数用意

——社内学童保育と子連れ出勤の内容を教えてください。

 社員の小学生の子どもを対象に、長期休み中も安心して過ごせる環境を整えたいと、2023年の夏休みから社内学童保育を、2024年の夏休みから子連れ出勤を、品川オフィスと大阪本社で順次トライアルとして実施しました。

社内学童での様子
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AERA with Kids+編集部
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