そうですね。子育て中は、お金も時間も、自分でコントロールできないことが多すぎますよね。その時期を無事に終え、また新しい自分の人生が動き出します。息子たちが小さかった頃はバタバタした日常が果てしなく続くような気がしていましたが、あの頃の私や、いま育児真っ最中のママパパには、「この忙しさが20年、続くわけじゃないよ」と伝えたいです。

――寂しさはありますか?

 息子たちには息子たちの人生があるので、私はその手伝いをする立場だと思いながら、ずっと母業をしていました。大きくなり、しっかりとそれぞれの毎日を生きているので、安心しています。寂しさはなく楽しみしかありません! 息子たちのこれからも、とても楽しみです。

 実は数年前から断捨離に取り組んでいて、過去の写真もほとんど捨てました。息子たちの小さかった頃の思い出は心の中にいっぱいありますが、断捨離をして「思い出と物とは別だな」と思えるようになりました。私は子育て中から「息子たちが生活の全て」ではなく、趣味のチアダンスだったり絵の仕事だったり、子ども以外の好きな世界がありました。これからはそんな世界をもっと広げて、人生の第3章を楽しみたいなと思っています。

(取材・文/永野原梨香)

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永野原梨香
永野原梨香

ながのはら・りか/『週刊エコノミスト』、『AERA』『週刊朝日』などに勤務し、現在、フリーライター。識者インタビューのほか、マネーや子育てをテーマに執筆中。

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