また、毎日何かしら重たい物を持って登校するのは、心も重たくなるでしょう。

 身体的・精神的負担を考慮して、一度に重たい荷物を持って来たり、連日重たい荷物を持って来たりしないでいいようにすることが大切でした。

子どもたちに気づかされたこと

 新学期の子どもたちの持ち物を、子どもの計画性・主体性を伸ばす機会だと捉えることもできます。持って来てほしい物と期日だけを伝えて、子どもたち一人ひとりに任せるのです。もちろん、学年や子どもたちの発達段階、家庭の理解と協力も必要ですが。

「1度にたくさんの荷物を持ってきたらしんどいから、考えてね」と、事前に言っておきます。

 それでも、かわいい小学生です。事前に考えて持ってくるように言ったのにも関わらず、1度にお道具箱と絵の具セットと習字セットと体操服を持って来る子どももいます。しかし、苦しそうな表情では全くありません。むしろ、誇らしげな表情です。

「やったー、これで明日から楽ちんや~♪」とうれしそうに自慢します。

 教師から言われて持って来るのと、自分で考えて持って来るのとでは、心の負担が全く違うのだと、かわいらしい子どもの表情を見て気づいたこともありました。

(文/松下隼司)

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