どんな子におすすめ?

 まさに童話を読みはじめたばかりの子にぴったり。本書は1969年の登場以来ずっと読み継がれてきた幼年童話のロングセラー。「ひとり読みスタート」にふさわしい、定番中の定番といってもいい作品です。子どもたちは次々起こる冒険にわくわくしながら、ふらいぱんじいさんを心配し、結末を見届ける気持ちに。最後まで読み通せたとき、読書の楽しみを知ることができる一冊です。

 また、ふらいぱんじいさんが卵ほしさのあまり、ダチョウを追い回して蹴っ飛ばされるエピソードもあるので、食いしん坊にもちょっとクスッと笑えるお話です。大好きなおひさまと卵があればごきげんで、弱いものを守る優しい気落ちを持っているふらいぱんじいさん。楽天的なところはクヨクヨしがちな子にもおすすめしたいですね。

【絵本の次に読みたい童話】言葉遊びが好きな子におすすめ! 愉快な動物しりとりから始まる、へんてこなお話
ふらいぱんじいさん (日本の創作幼年童話 5)

神沢 利子,堀内 誠一

ふらいぱんじいさん (日本の創作幼年童話 5)
著者 開く閉じる
大和田佳世
ライター 大和田佳世

絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て2009年よりフリーランスに。絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」や朝日新聞社が運営する本の情報サイト「好書好日(こうしょこうじつ)」などの他、雑誌「MOE」、出版社の各Webメディアで執筆。作家、翻訳家へのインタビュー多数。小中高の3人の子と暮らす。

1 2 3