女子は、共学校が難関化している。高槻(大阪府高槻市)の女子の志願者数は776人から782人に微増。初日午前は志願倍率3.8倍の厳しい戦いとなった。洛南(京都市)の女子は271人から304人に増加した。

「高槻は最難関の仲間入りをしつつあります。男女別枠で募集しているので、女子は特に厳しいですね」(日能研・森永さん)

付属校の人気高まる

 関西エリアの今年のトピックは、付属校人気だ。

「もともと大学付属は底堅い人気があるのですが、ここのところ高止まりで落ち着いていたのが、今年再び加速したイメージです。大学付属は一定のパイがあるので、受験率が上がると志願者も増える傾向にあります。志願者増は関関同立だけでなく、産近甲龍にも及んでいます」

 志願者が目立って増えている同志社香里(大阪府寝屋川市)は1360人から1431人、関西大学第一(大阪府吹田市)は458人から593人、立命館宇治(京都府宇治市)は566人から609人、近畿大学附属(大阪府東大阪市)は642人から828人、龍谷大平安(京都市)は343人から432人。

 付属校ではないものの、連結コースなどで連携している学校も人気が上昇した。初芝立命館から校名変更した利晶学園大阪立命館(大阪府堺市)は1205人から1468人、関西学院大学コースを設置している帝塚山学院(大阪市)は1504人から1545人に上昇した。

独自の改革で人気が高まっている注目校

 一方で改革を進める上位校や中堅校も、期待値の高さから人気が上がっている。大阪桐蔭(大阪府大東市)は、最近では難関校と併願される人気校だ。2025年度から東大や京大、難関国公立医学部、海外大学への進学を目指す最難関のプロシードコースを加えたことから期待を呼び、志願者が920人から1253人に増加。金蘭千里(大阪府吹田市)は生徒の自主性を大切にする教育にモデルチェンジし、保護者から支持を集め1039人から1232人に。大阪国際(大阪府守口市)は、洗練された広々とした校舎が評判で、教育環境の良さから保護者と受験生のハートをつかみ、273人から389人に増えている。

 箕面自由学園(大阪府豊中市)は、大学合格実績が躍進したことが好感を呼んだ。高入生(高校で入学した生徒)の割合が高いが、中学に上位コースを設け、テコ入れしたことで人気が上がり238人から395人に増加した。雲雀丘学園(兵庫県宝塚市)は進学実績の良さと、探究活動が充実していることからここ数年人気が上昇。難関化が進み総志願者数は減少したものの、初日午前の志願者が246人から300人に増え、第1志望に選ばれる学校に躍進したことをうかがわせた。

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