思い出すのは次女がまだ生後1カ月くらいだったときのこと。
その日、私はちょっと体調が悪くて早く寝たかったのですが、そういう日に限って、赤ちゃんは夜泣きするんですよね。抱っこして、泣き止ませて、ようやく寝てくれたと思ってベッドに置くと、また「ふぎゃーーー!」。
おっぱいを飲ませても、抱っこしても、落ち着いたかと思うとまたすぐに大泣き。「なんで寝てくれないの?」と、私までワンワン泣いてしまいました。
そしたら息子が飛んできてくれて、「ぼくが抱っこしてリビングに行くから、お母さんは寝てね!」って言ってくれたんです。
びっくりしました。こんなに優しくなったんだ、ちゃんとお兄ちゃんになってくれているんだ……そう思ったら、ますます泣けてしまいました。
中学生になったら、もっともっと成長するのでしょうね。
私の知らない場所で、私の知らない人たちから、きっといろいろ学ぶことでしょう。そしていつかは家を出ていく。
でもその日までは、もう少しゆっくりと大きくなってほしい。
そして家を出ていっても、「お母さんのごはんが食べたいから」と言って帰ってきてほしい。いつでも大好きな春巻きや餃子やから揚げを、たくさん用意しておきたいと思います。
(構成/神 素子)
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