「新しい校舎もでき、第1志望の受験生が大勢集まりました。大学が生命科学系のリソースを持っているというメリットがあり、今後も人気は続くのではないでしょうか」(SAPIX・広野さん)

 その影響で、近隣にある東京都市大学付属(世田谷区)が3373人から2855人、東京都市大学等々力(世田谷区)が3137人から2643人に減少した。昨年ほとんどの付属校が減少した日本大学系は志願者数が回復。日本大学豊山(文京区)が2022人から2111人に、日本大学藤沢(藤沢市)は528人から849人と大幅に増加した。

 大学付属校では、女子の増加も目立った。法政大学第二(川崎市)は1771人から2007人(うち女子は1026人)に、中央大学附属横浜(横浜市)1318人から1350人(うち女子は801人)に増えた。神奈川大学附属(横浜市)は女子の受験者が965人から1083人に増え、合計2143人から2281人になり、女子の受験生が牽引して志願者を増やした。

理工系大学付属校の人気が続く

 理工系大学付属校の人気も変わらずに健在だ。ここ数年増加していた日本工業大学駒場(目黒区)は、今年も2187人から3269人と大幅に増やした。人気の理由を安田教育研究所代表・安田理さんは「理工系付属ということに加え、面倒見の良い学校。進学指導も熱心で、難関大への合格実績も上がっている」と話す。

 東京電機大学(小金井市)は1595人から1609人に増加。芝浦工業大学柏(柏市)は2317人から2403人に増やした。同校は今年の入試で4科と、4科に英語を加えた5科入試を実施して話題を呼んだ。英語検定2~3級レベルが基準で、5科入試が不合格だった場合でも英語の試験を除いた4科が合格点に達していれば合格とみなす。SAPIX・広野さんは、こう分析する。

「芝浦工業大学柏は、教育取材歴20年の元新聞記者・中根正義校長が就任してからますます元気になりましたね。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)校に認定され、さらに芝浦工業大学との高大連携で理系教育を深めています。探究プログラムも充実しており、総合型選抜で難関大学に入れる実力がついてきました」

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