――漫画に描かれている宿題をめぐる母娘のやり取りでは、強引にやらせるのではなく、様子を見守りながら、音楽や声かけで少しずつ気持ちを前向きにしていくとまぱんさんの様子が印象的でした。

 子どもに何か言い聞かせるときは、叱ったり怒ったりするのではなく、「伝える」ように心がけています。私もそうですが、大声を出されると「怖い」という感情が先にきちゃって、相手の言っていることが頭に入らないんです。

 実は、漫画で私自身のキャラクターをあえて無表情に描いているのも、喜怒哀楽を表現しすぎるとそればかりが読者に伝わってしまう気がするから。無表情にすることで、読者の方それぞれの捉え方ができるんじゃないかと思っています。

――自分が登場する漫画について、何か言っていますか?

 漫画はリビングで描いているので、娘も「何か変なの描いてるな」みたいな感じでちょこちょこ覗きにきます。内容には興味がないみたいですが、「これ、私? 髪の毛少ないね」とは言っていました(笑)。

【マンガ】「とまちゃんの宿題を見る」を読む(全9枚)

家族の健康はフォロワーさんのおかげです(笑)

――とまぱんさんの著書に、放送作家の野々村友紀子さんが「この本は、きっと誰かの希望の星だ」という言葉を寄せていましたね。

 読者の方から、「とまちゃんは私の希望です」というメッセージをいただくこともあります。こんな私と娘が、いつの間にか誰かの希望になれていたとは(笑)。娘が幼稚園や学校になじんでいる様子やお友だちとの関わりのエピソードを投稿すると、たくさん「いいね!」が付くので、お子さんの発達を心配している読者の方の中には、ご自身のお子さんと娘を重ねて見てくださっている方もいるのかもしれません。

――プレ幼稚園初日の失敗談や子育てに対する義両親からのダメ出しも、とまぱんさんのギャグセンスでこんなに笑える話になるんだと思いました。コメント欄にも「声を出して笑いました」「元気が出ました」といった読者の声がたくさん寄せられています。

 漫画を描いている一番の目的は、読んだ人に笑ってもらうことなので、そういうコメントをもらうとすごくうれしいです。

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