メモしてコピーを取って、ジャンル分け。こうして知識をモノにしています

小島 実は今、本を新しく購入することをストップしている状態なんです。まだ読めていない本がたまってしまって……。読んだ本に線を引いて、それを自分のノートにメモしているんです(小島さんの読書メモノートを見せてくれる)。

――すごいですね! メモを、さらにジャンルごとに分けてあるんですね。

小島 ただ読んだだけでは、忘れてしまうんですよね。こうやって整理していると「こんなにいいことが書いてあるのに、それを全然ものにできていなかったな、もったいないなあ」と感じます。

――雑学系や健康、教育、スポーツ……。いろいろあるんですね。こんなふうに振り返ると、新たな学びはありますか?

小島 学びだらけです。こうやって復習して、人に話せるようになってはじめて自分のものになると思うんですよね。メモしたノート自体が2、3年分たまってしまっているので、これを新しい知識として取り込みたいんです。これは僕流の復習なのですが、本を読みながらノートにメモをとって、それを一度コピーして、ジャンルに分けて切って貼るんです。ですから、人生で今がいちばんスティックのりを使っていると思います(笑)。

小島さんの読書メモノートをのぞき込む笹沼さん 撮影/馬場岳人(写真映像部)

――読んだだけでは終わらせないところが素晴らしいですね。

小島 僕の場合「必要性」があるから読むという側面もあります。最近、コメンテーターやお悩み相談のようなお仕事もいただくことが多いんです。そういうときに、わかりやすいたとえ話や、おすすめのことばなどがスッと言えるといいなと思って。

――なるほど、お仕事にも読書は大きな強みになるのですね。

小島 物語や小説などは、「読んで終わり」でいいと思うんです。むしろ、忘れたほうが何回も楽しめますよね。ですから、この復習をするか否かは、本の内容にもよるんです。情報や知識をとりいれたい一冊のときは、必ずメモをとっています。そうすると、自分の中でいい感じに混ざって新しいアイデアが生まれることもあるんですよね。こんなふうに、「読書」は自分の栄養になって、それが折り重なってたまってきて、その人の個性につながっていくような……そんな気がするんです。

――本は栄養……すごくいい言葉ですね!

<笹沼颯太のつぶやき>

本の文章にマーカーを引きながらメモを作り、それをノートに貼って整える。読書家として、言葉や知識に丁寧に向き合う真摯(しんし)さを感じました。お笑い芸人のイメージとはかけ離れた、努力家で真面目な表情にますますファンになりました! Yondemyが運営するPodcast番組『おうち読書のミカタラジオ』でも対談の感想や本の読み方のアドバイスなどを配信しています。

(構成/三宅智佳)

※後編〈小島よしおが語る、自分の「強み」の見つけ方「まずは打席に立つこと。いろんなことを試してみることです」〉に続く

小島よしおさんと笹沼颯太さん 撮影/馬場岳人(写真映像部)
【後編はこちら】小島よしおが語る、自分の「強み」の見つけ方「まずは打席に立つこと。いろんなことを試してみることです」
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小島 よしお

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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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