多くの家庭では、冷蔵庫などに数日分の食料が入っているはず。防災食の備蓄がなくても、水と火力さえあればあたたかい食事が食べられるのです。
災害が起きたら、早い段階で冷凍庫や冷蔵庫の生ものを加熱してしまいましょう。私はよく「災害の初日に寄せ鍋を食べて、しっかり栄養をつけましょう」と話しています。
家で食事をすると、どうしても生ゴミが出ますよね。災害時にはゴミ収集が止まってしまうので、生ゴミやおむつなどの腐敗臭が家の中に充満してします。
そんなときに役立つのが防臭袋です。私は東日本大震災のときにたまたま防臭袋をもっていたので、本当に助かりました。少し高いけれど、今でも日常的に使っています。夏場でも生ごみの臭いがせず、とても快適です。
――この5つくらいなら、いますぐできそうです。でも「懐中電灯」「ろうそく」などの灯りが入っていないのは意外でした。
もちろんあったほうがいいに決まっていますが、電気は最悪なんとかなります。震災当時、わが家では太陽とともに起き、日没とともに眠っていました。
ただ、現在は2011年と比べてスマホの普及率が大幅に増えています。ガラケーに比べてスマホの充電は長持ちしませんから、充電用のバッテリーは多めに用意しておきましょう。できれば充電式と乾電池式、ソーラー式の3種類を用意してほしい。ソーラー式は豪雨災害のときには役立たない場合もあるので、1種類に絞らないほうが安心です。
――子どもたちの防災意識を高めるにはどうすればいいのでしょう。
地震などが起きたときや、災害に関する本やドラマをみたとき、あるいは1月1日、3月11日や9月1日などに「わが家の防災を一緒に考えよう」と声をかけるのはいかがでしょう。
「水は一人1日3リットル必要なんだって!」「じゃあペットボトル何本?」と相談し、「じゃあ、いっしょに買いに行こう」と買い物に行くのがおすすめです。自分で運ぶことで、「水は重い」とか「水は大事だ」と実感できるようになると思います。
(構成/神 素子)