かぶれに気づいたら、できるだけ早く皮膚科へ
――かぶれは染毛剤を初めて使ったときに起こらなければもう大丈夫ですか。
染毛剤によるかぶれで最も多いのが、永久染毛剤に含まれるジアミンなどの成分によるアレルギー性接触性皮膚炎です。アレルギー性接触皮膚炎は、体の内部に侵入してきた化学物質が異物とみなされると免疫機能が働いて、それを排除しようとするアレルギー反応(感作)が起こります。感作が成立してしまうとその後は原因物質(=アレルゲン)が肌に触れるたびにアレルギー反応が起こり、かぶれるようになります。
つまり、かぶれの症状が出るのは2回目の使用以降です。何年も同じ染毛剤を使っていて大丈夫だったのに、突然かぶれが現れることもあります。一度かぶれてしまうと、原因成分が含まれている染毛剤は二度と使うことができなくなります。
――染毛剤によるかぶれの特徴を教えてください。
髪を染めてから6時間くらいで頭皮や髪の生え際、額、耳の後ろ、首すじなど、染毛剤や洗髪時のすすぎ液がついたところにかゆみを感じます。やがて赤みや腫れなどの症状も出始め、どんどん広がってひどくなり、顔全体が腫れ上がったり、頭皮からジュクジュクした浸出液が染み出したりすることもあります。
ステロイドの外用薬や内服薬を使うなど適切な治療をすれば、症状は改善します。できるだけ早く皮膚科を受診してください。
――20代から白髪染めを使っていると、アレルギー性接触性皮膚炎のリスクは高くなりますか。染毛剤を使い始める時期を遅らせたり、白髪染めの使用頻度を減らしたりすればリスクは下がりますか。
染毛剤を使う機会が多くなるほど、アレルギー性接触性皮膚炎を発症しやすくなります。しかし使用2回目で発症する人もいますし、頻度が低いからならないというわけではありません。あまり神経質になる必要はなく、発症してしまったらしっかり治療して、原因となった染毛剤とは違うタイプの染毛剤の使用を検討しましょう。
(取材・文/熊谷わこ)