小学生の夏休みの宿題、頭を悩ませるのが「自由研究」と「読書感想文」です。親はどこまで、どんなサポートをしたらいいのでしょう? 臨床心理士、公認心理師である中島美鈴さんの著書『マンガでわかる 精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください』から、ヒントをご紹介します。

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自由研究や読書感想文は、ほったらかしも「親の作品」にもしたくない

「自由研究や読書感想文って、どこまで親が手出ししていいの?」と迷う人は多いと思います。私は、ある程度のサポートが必要だと考えています。だって小学生に「研究」って難しくないですか? しかも学校でやり方をレクチャーしてくれるわけでもありません。感想文の書き方だって、教えてもらった記憶はありません。

 自由研究や読書感想文の作り方は、家庭に一任されていると思っていいでしょう。2学期の最初、並んだ作品群を見るとだいたいわかります。親の作品か、ほったらかしか。でも、そのどっちにもしたくありません。せっかくの機会です。自由研究を通して自分の興味のある世界を広げてほしいし、読書感想文で読書のおもしろさや文章の書き方を学んでほしいと思います。

 親は何をするかというと、①子どもの興味のあることは何かなぁと考える②テーマの選択肢を出す③完成形をイメージさせる④情報を整理してあげる⑤必要であれば構成案を提案する⑥昼寝しながら完成を待つ以上です。

 これは自由研究でも読書感想文でも同じです。特に③の完成形を知らないで始める子はとても多いと感じます。親も子もゼロから立ち上げるのではなく、何かを見本にしながら、そのいいところをとり入れて整理していくとムダがありません。

 といっても、中身までまる写しするわけではありませんよ。たとえば昨年の読書感想文コンクールで優勝した作品などを読んで、「なんでこの感想文が最優秀賞をとったんだろうね? 何がよかったんだと思う?」「最後にこういう感想があると感動するよね」など話し合ってみましょう。子ども自身も、「最後の感想は、今の自分に重ね合わせて書くといいのかな?」などを学ぶはずです。

 もしも気になるのであれば、参考にするのと、マネをすることとの違いも子どもに伝えておくといいでしょう。

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