旅は人生の縮図。トラブルやアクシデントから学ぶ

 多くの親御さんは、「我が子のために」と真摯(しんし)に考え、とても丁寧に子育てをされています。ただ大切に思うあまり、失敗をしないように先回りをして手や口を出していることもあるのでは? 子どもはいつか親を離れ独り立ちをしますし、人生は思い通りにならない想定外のことも起こります。失敗を恐れず果敢に挑戦するためにも、失敗から学び糧とすること、失敗への免疫力をつけておくことも大切です。

 旅は人生の縮図。どんなに綿密に計画をしても、トラブルやアクシデントはつきものです。例えば、交通機関が遅延する、道に迷う、天気が悪くて予定通りにいかない、病気になった……小さなものから大きなものまで、あげればきりがありません。そのときは大変ですし、残念に思うこともあるでしょう。でも「思い通りにならないことがある」というのを、子どもが体験し乗り越えることで、想定外の事態への対応力も高まります。

我が家の場合~列車が運休! さあどうする?

 我が家も旅をするなかで、さまざまなトラブルを経験しています。例えば、子どもが小学4年生のときに、九州の列車旅を親子で計画しました。初日は、朝一番の飛行機で鹿児島空港に到着し、観光列車を乗り継ぎ、船で熊本県の天草へ向かうというハードな行程でした。観光列車に乗り込んだところまではよかったのですが、天気が急変。なんと集中豪雨で列車の運行が打ち切りになってしまったのです。ほかの手段がないか? 最悪の場合は宿をどうするか? 切符の扱いは?などを確認・検討するなか、息子が地元の人から「熊本駅まで高速バスがある(しかもまもなく出発!)」という情報を得て、急いで雨のなかバス停へ。無事に天草の宿へ到着できたことがありました。疲れや安堵に交じり、なんともいえない達成感があったこと、「助かったわ。ありがとう」と伝えたときの得意そうな息子の満面の笑みが昨日のように思い出されます。

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