気候の良い秋は、旅のベストシーズン。週末を中心に近場へお出かけをするご家族も多いのでは? 旅育は「近所へのお出かけ」でも実践できます。その際に大事なのが、「学ばせよう、教えよう」と親御さんが前のめりになりすぎないことです。
【写真】リゾナーレ八ヶ岳の写真はこちら(全7枚)「学ばせたい」が強すぎると、子どものワクワクが減少
「旅育」という響きから、知識を得ることが「旅育」だと考え、「学ばせよう、教えよう」と張り切る親御さんが多くいます。実際に知識の習得を目的としたプログラムを「旅育」と称する動きもありますが、私はちょっと異なる見解を持っています。
私が考える理想の旅育は、親子で旅を楽しむ中で「いつの間にか成長している、あるいは学びになっている」こと。そのため、子どもにとって「旅が楽しく、面白いもの」であるのは必要不可欠です。ところが親御さんが「学ばせたい」という思いが強すぎると、つい「楽しさ」が二の次に。子どもからみるとワクワク感のない、面白みのない旅になりがちです。親御さんのマインドとしては「(知識よりも)子どもの自主性や自己肯定感を育むことを主眼におく」のがおすすめです。楽しい旅の中で親子の絆を深め、人間的に成長を図る。そうすれば自然と子どもはモチベーション高く学び、知識へつながることも期待できます。
旅では役割や目標を設定、褒めて成功体験に
自己肯定感を育むために、旅育メソッド🄬では「役割や目標を設定、褒めて成功体験にすること」を勧めています。「子どもは褒めて育てるのがいい」とわかっていても、日常で子どもを褒めるのは難しいことだと思いませんか? 私も自身の子育てを振り返ると「日常では、できることは当たり前、できないことに目がいき、つい小言が先に出る」ということも恥ずかしながらありました。でも、そんな私も旅では褒め上手になれたのです。
旅では時間と場所が区切られるため、小さな目標が立てやすく、目標を設定することで褒めるきっかけができます。加えて親も時間や気持ちの余裕があるので、じっくり子どもと向き合えます。ぜひ「小さな目標」を立て、子どものがんばりを認め、褒めるということを試してみてください。「できてうれしい」「認められてうれしい」という小さな成功体験を繰り返すうちに、子どもの「やればできる」という自己肯定感が高まります。
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