小学校受験のほうが中学受験より入りやすい学校も？　付属校か、進学実績か…小学校受験のトレンド

　小学校受験か、はたまた中学受験か。わが子の学校選びに頭を悩ませている親御さんも多いでしょう。小学校受験と中学受験のそれぞれのプロに、子どもに小学校受験をさせるメリット・デメリットや、昨今のトレンドを聞きました。

MENU 私立小学校6年間の学費は1千万円　幼児教室代も数百万円の出費 大学付属、進学実績のいい学校…　どの小学校を受けるべき？ 2026年度からは中学受験者数が減少していく？ 小学校受験の「不合格」、子どもにどう伝えたらいい？

私立小学校6年間の学費は1千万円　幼児教室代も数百万円の出費

　小学校受験を検討する際、まず大前提として必要なのが資金力だ。文部科学省の学習費調査によると、私立小学校に子どもを通わせている家庭の半数は、世帯年収1200万円を超えている。私立小学校に入学した場合、6年間でかかる費用はざっと1千万円ほど。さらに受験対策のための幼児教室代も覚悟がいる。2千組以上の小学校受験家庭を指導してきたコノユメSCHOOL代表・大原英子さんはこう話す。

「幼児教室には年少、年中、から通う家庭が多く、週1コマの総合クラスが月3万～4万円。さらに絵画、行動観察、体操、志望校別対策など週3、4コマとる家庭がほとんどで、季節講習なども入れると1年で200万円前後かかります。不安から次々課金してしまわないように注意が必要です」

　少子化で子ども1人当たりにかけられる教育費が増えている今、両親と父方、母方それぞれの祖父母で教育費を準備する家庭も多いそうだ。

　中学受験の動向分析のプロである首都圏模試センター教育研究所長の北一成さんにも、話を聞いた。

「中学受験の1年間の塾代はおよそ100万円。小学校受験の塾代は、中学受験の倍以上の差があり、小学校入学後の金銭的負担にも家計が耐えられるのか、という点は冷静に考えたいところ。 これまで“私立小＝富裕層の学校”であったことは、今でも両親で働かずとも子育てに専念できる専業主婦家庭が多いことが、象徴していると思います」（北さん）

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編集者/ライター 曽根牧子

編集者・ライター。『AERA English』『英語に強くなる小学校選び』などで国際教育、英語学習、小学校受験に関する記事を執筆。