2023年度の不登校の児童・生徒数が過去最高の約34万6000人に達したことが10月31日、文部科学省から発表されました。わが子が不登校になった場合、日中をどのように過ごせばいいか、当事者の子にとってはもちろん、そばで支える親にとっても大きな問題になることは想像に難くありません。保護者への支援がほとんどない現状や学校以外の“居場所”探しについて、不登校ジャーナリストの石井しこうさんに解説していただきました。※前編<不登校の小中学生34万人、1年で4万人以上も増えたのはなぜ? 「生徒間トラブルに先生の手が回っていないのでは」と専門家>から続く
【表】不登校になったときに学校から受けた情報提供は?(ほか1点)子どもの不登校で、退職を余儀なくされる親も
――子どもが不登校になった場合、日中は家で過ごすことが多くなるかと思います。親の生活や仕事への影響についての声はどのようなものでしょうか?
昔と違って、最近の親御さんたちは、わが子が本当に苦しそうにしていて学校に行くのを嫌がっている、怖がっているという場合、やはり無理やり学校に連れていくことはできない、という賢明な判断をされる人が増えていると感じています。
ただ、当事者の子どもだけでなく、支える側の親御さんも本当に大変ですよね。「子どもが一日中家にいてゲームや動画ばかりでイライラする」「夏休みのように毎日昼食を用意するのが苦痛」「学校に行かないことで勉強の遅れや焦りを感じる」といった保護者の不安な声を聞きますし、仕事への影響も大きくあります。学校以外の居場所や預け先がすぐにはわからず、不登校の子どもをひとり家に置いて出勤したり在宅勤務にしたりすることもできず、やむなく「退職するしかない」と仕事をやめる親御さんもいます。精神的にも経済的にも追い詰められてしまう人が多いのです。
一方、学校ではまだ認識のシフトチェンジが起きておらず、「学び」に関していえば、不登校になった児童や生徒へのICT教育の提供は、減っているんです。コロナ禍でオンライン授業なども検討されましたが、現在では結局もとに戻ってしまって、残念なことにICT対応はしないという態度をとる学校が多いようです。
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