Aを選ぶにしても、みんないろんな考え方をして行き着いているはずだから、考え方や伝えるポイントを少し分解するだけで、実はBを選んだはーちゃんと同じようなことを考えていたり、疑問に思っていたりする人がいるかも。そうしたら、「そんな考え方をする人はいません!」という言葉も少しくつがえせるかもしれないし、また自分を少しずつ出せるかもしれないね。
やっぱり、いままでになかった考え方とか意見に出合うと、人は困惑しちゃうものだと思う。たとえば、お皿にしても、白くて丸いお皿はよく見て知っているから何の違和感も抱かないけど、とがった形のお皿が出てきたらみんな「えっ、ナニコレ」って思うんじゃないかな?だから、「そんな考え方をする人はいません!」ってシャットダウンしてしまうのかも。
「なるほど」は相手を受け入れる魔法の言葉
自分の意見を伝えるだけじゃなくて、こちらがAの意見を理解する方法もあると思う。それは、Aの意見に合わせるということではなく、「そういう考え方もあるよね」って認めること。おすすめなのが、いったん「なるほどね」って言ってみること。
親御さんに「そんな考え方をする人はいません!」と言われたとき、はーちゃんはなんて返したかな? それともなにも返さなかったかな? 親御さんに対しても、「あ~そっか、私みたいな考え方をする人はいない、そういう考え方もあるんだな」って思ってみてほしい。
やっぱり人って、自分が認められると相手も認めようとすると思うんだ。親御さんの言葉に、もしはーちゃんが「そんなことない!」って返したら、否定し合うことが繰り返されてしまって、どちらもつらいよね。だけど「へえ、そうなんだ」って一度受け止めると、なにか変わる気がしない?
よしおの経験上、肯定すると肯定が返ってくることが多い気がするんだ。たとえばよしおが「面白くない」って言われたときに「いや、面白いし!」って返したら「いや、面白くないだろ」って返ってきそうだけど、「そっか、そうですよね」っていうと、「いや、面白いところもあると思うよ」って返って来たりする(笑)。意外とそういうことがあるよな、って。
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